「さらば宇宙戦艦ヤマトの古代はいろいろ幻が見える」
「うん。沖田とかオレンジの人とかだね」
「最初に幻が見えるのは、発進前に第1艦橋に足を踏み入れたときで、その時は一瞬」
「その次は?」
「ラスト近くの沖田へ飛ぶ。それから総員退艦後に目を開けている森雪という幻を見て、オレンジの人たちという幻を見る」
「それで、君の考えとは?」
「沖田の幻と森雪の幻の間に登場するのがテレサ。このテレサも古代が見た幻ではないだろうか」
「そもそも、実在と幻の境界はどこにあるんだ?」
「古代一人しか見ていないものは幻。他人も見ているものは実在だろう」
「つまり?」
「テレザートのテレサは実在。土方も実在。でも、沖田は非実在。ラストのテレサも非実在」
「まさか」
「そもそも、祈り続けると宣言して消えたテレサが古代の特攻に付き合う義理は無いし、そもそもテレサが突っ込むならヤマトが突っ込む意味も無い」
「うーむ」
「そもそも、第1艦橋の前が光ったとき、テレサ出現の演出に見えるのだが、もしもテレサが非実在ならこれは超巨大戦艦のヤマトへの砲撃。ヤマトはここで沈んでいて、この後のストーリーは全て死に際の古代が見た夢かもしれない」
「まさか」
「可能性だよ可能性」
「この話はどこにつながるんだい?」
「タラン非実在説。自滅に等しい狂気の攻撃を仕掛けるデスラーと、最終的に特攻に突き進む古代は表裏一体なのだ」